映画化作品について~1976年版~

1976年、角川書店は映画製作に乗り出しました。題材はもちろん自社が出版する小説で、大作映画として公開することで話題を作り、原作やその関連書籍の売り上げを伸ばすことを目的とした、いわゆる「メディアミックス」と言われる商法の一環でした。その第1回作品として選ばれたのが、この『犬神家の一族』でした。

監督は巨匠・市川 崑。彼特有の映像美が、原作の持つおどろおどろしさと奇妙に融合し、独特の雰囲気を醸し出しました。金田一役には石坂浩二。その他、高峰三枝子、島田陽子など豪華キャストが揃い、大作の風格も満点。作品的にも興行的にも大成功を収めました。

また、主題曲を含めサウンドトラック・レコードも大ヒット、メディアミックスに更なる貢献をすると共に、作曲者の大野雄二にとっては、テレビアニメ『ルパン三世』と並ぶ代表作となりました。

この『犬神家の一族』以降、市川監督は石坂を主演にした金田一シリーズを連作することになります。また、他の邦画各社も金田一ものを中心とした横溝作品をこぞって製作、映画界にも横溝ブームが巻き起こりました。