映像化や漫画化された『犬神家の一族』
先に触れた通り、『犬神家の一族』が最初に映像化されたのは、小説が最初に発表されてから4年後の1954年でした。タイトルは『犬神家の一族』ではなく、『犬神家の謎 悪魔は踊る』。金田一に扮したのは、戦前からの時代劇スターだった片岡千恵蔵で、原作と違ってスーツ姿の都会的なルックスでした。
その後、大幅に改変されて一度テレビドラマ化された後、1976年に市川崑監督によって映画化され、これが映画界にも出版界にも横溝ブームを生み出すきっかけになりました。また、この30年後に同じ市川監督によって再映画化されました(これらについては、後で詳しく触れます)。
この映画化以降4回テレビドラマ化され、古谷一行や稲垣吾郎など様々な俳優が金田一に扮しましたが、いずれの作品にも76年版の映画の影響が見受けられます。
また、これも先に述べましたが、『犬神家の一族』は5回ほど漫画になっています。時代設定を現代に変えたりキャラクターの設定にも変更を加えたりしたものもあり、年少の読者を意識しただけでなく、こちらはあえて映画版とイメージが重複しないように配慮されたものと思われます。